「お時間が許される」という表現は敬語の間違いか?
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Question

よく「お時間が許される折にご確認ください」のような言い回しを聞くことがありますが、これでは、あなたを許す「お時間」というものを尊敬することになってしまって、相手に対する敬意の表現にならないんじゃないでしょうか?(兵庫県 ぴよ様)

Answer

「時間が許す」「お時間が許される」などの「時間」と「許す」を組み合わせた表現は、「時間があるときに」の丁寧な言い回しとして重宝されているようです。

例文をあげますと、

「お時間が許される方は、ぜひ懇親会までご参加ください」
「お時間が許すようでしたらお越しください」
「お時間の許す限りごゆっくりお過ごしください」

などです。

おっしゃる通り、「時間が許す」というのは、まるで人が時間の許可を得て生活しているかのようで、なんとも奇妙な気がしますね。ましてや「お時間」が「許される」とは。

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しかし、「お時間が許される方は」「お時間の許す限り」は、もはや慣用的な表現となっていますので、使用にあたってあまり深く考える必要はないでしょう。おそらく「間違いだ!」「わしは時間の奴隷ではない!」と怒られることはないと思います。

もし気になるようでしたら、「お時間が許される」の「許される」は、尊敬語ではなく受動態だと考えてみてはいかがでしょうか。

元々は「(私があなたの)お時間を頂戴することが許される折に」という表現だったのが、短縮されて定型化され「お時間が許される折に」となったという解釈です。

すなわちこの場合、許すのは相手であり、許されるのは話し手です。「時間」を敬ったことにはなりません。また、この場合の「時間」は相手のものですので、「お」を付けて「お時間」としても敬語的に問題はありません。

それでも違和感が残る!という場合は、「許す」を使わずに「お時間のございます折に」などの言い方を採用するのも、ひとつの手かと思います。

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