「食べる」のていねいな表現として「いただく」と言うのはアリ?
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Question

「食べる」をていねいに言おうとして「いただく」と言うのは、敬語の使い方としてどうなんでしょう?テレビ番組などでよく耳にしますが、どうもしっくりこないんです。(H様)

Answer

「いただく」は、「もらう」の謙譲語です。「食べる」という意味で「いただく」を使うのがふさわしいのは、例えば、上司からなにかをおごってもらうなど、目上の人から何か食べ物をご馳走してもらうような場面です。

ところが、近年、テレビ番組や雑誌などで、「食べる」の丁寧な言い方として、「いただく」を使う傾向がありますよね。例えば、自腹でレストランに行ったり、自宅で何かを取り寄せたりするときの「食べる」という行為を「いただく」と言う。

これを、レストランのシェフや農家の人などにありがたみを感じつつ食べると解すると、敬語的には正しいと言えるでしょう。

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しかし、やはり自腹でものを食べることを他人に対して「いただく」と表現することはおすすめできません。というのは、聞き手にとってレストランのシェフや農家の人はどうでもいい人である場合がほとんどだからです。

聞き手にとってはどうでもいい人について、話し手が「いただく」という謙譲語を使ってへりくだっている様子を見せられると、聞き手はいっしょになってへりくだることを強制されているように感じ、違和感をおぼえます。

そういった違和感については、こちらをご参考ください。

聞き手の知らない自分の大事な人について話す

ということで、例えば「旬のふぐをいただく」というような言い回しは、あながち間違いではないけれど、使わないほうが無難であるというのが「敬語の達人」の見解です。

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