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敬語とは何か」でお話したように、敬語の話はシンプルだと言っても、これだけはちょっと注意して聞いていただきたいというポイントがあります。それは、誰が「目上の人」にあたるのか、これが場面によって変化するということなんです。

誰が目上の人なのかが場面によって変化する・・・これは一体どういうことなのか、今からご説明しますね。

ちょっと次の図を見てください。この図の上の方の金色の人、これを仮に課長としましょう。下の黄色い人をあなたということにしますね。

敬語を使う相手 #1

ここで、上司である「課長」は、あなたと1対1で話している場合には、あなたにとっての「目上の人」となります。この場合、課長のすることや、課長のもの、様子についてあなたが何か言うときには、「尊敬語(そんけいご)」を使います。

尊敬語とは、目上の人がすることや、目上の人のもの・様子などを表現するときに使う言葉です。たとえば、「課長の言うとおりです」は、「言う」の尊敬語「おっしゃる」を使って「課長のおっしゃるとおりです」というのが適切です。

そして、あなたは、あなたが課長に対してすることや、あなた自身のものについては「謙譲語(けんじょうご)」を使って表現します。謙譲語とは、目上の人に対して自分がすることや自分のもの、また、自分が目上の人に何かをしてもらうことを表現するときに使う言葉です。

「先日課長に言ったとおりです」は、「言う」の謙譲語である「申し上げる」を使って、「先日課長に申し上げたとおりです」と言います。

ところが、ここがややこしいところなんですが、取引先の人やお客様に対して、自分の上司である課長について話す場合には、課長は目上の人ではなくなってしまうのです。

よその会社の人に対しては、課長を「株式会社○○」という同じグループ(以下、会社、家族などの人の集まりのことを「グループ」といいますね)の一員として、自分と同じとみなすのが常識とされているからなんですね。この場面では、課長は目上の人ではないので要注意です!

敬語を使う相手 #2

自分と同じとみなすということは、課長について何か言うときには、尊敬語ではなく謙譲語を使うということです。「私がおっしゃったとおり」とは言わないのと同様に、「弊社の課長の鈴木がおっしゃったとおり」ではなく、「課長の鈴木が申し上げたとおり」と言いましょう。

また、あなたのお家が厳しいご家庭で、家ではお父さんやお母さんのすることを尊敬語を使って話しているかもしれません。たとえば、「お父様がおっしゃいました」のように。

もちろんご家庭内では、お父さん、お母さんはあなたにとって目上の人ですので、それでかまいません。しかし、一歩外に出た会社や学校では、あなたはお父さんを「○○家」という同じグループの一員として、自分と同じとみなします。

敬語を使う相手 #3

このように、誰が目上の人かというのは場面によって変わります。だとしてどんな法則にしたがって変化するのか、これについては一言で言い切ることはできないのですが、とりあえずここでは、

  1. よそのグループや、よそのグループに属する人は、目上の人として扱う。
  2. 自分が属するグループの中では、グループ内で立場が上の人(上司、先生、先輩など)を目上の人として扱う。
  3. よそのグループの人と話しているときは、自分が属するグループの人のことは目上の人として扱わず、自分と同じに扱う。

以上3つのポイントを押さえておいてください。ほとんどの場面はこれでしのぐことができますのでご心配なく!

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