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中山さんは、自分が店長を務める「すみれ庵」で、ランチタイムに接客をしています。さて、注文した料理は全部そろったかどうかお客にたずねるときに、「ご注文の品はおそろいになりましたか?」という言い方をするのは正しいでしょうか?

小秋先生

「ご注文の品はおそろいになりましたか?」これは、間違ったマニュアル敬語としてよく指摘されているわね。


犬山くん

あちこちの店ですっかり定着しているから、僕は特におかしいと思わないよ。どこが変なの?


小秋先生

「おそろいになりましたか」が変なのよね。


犬山くん

丁寧でいいと思うんだけどなあ。


小秋先生

ほんとうに?「そろった」のは何?


犬山くん

「ご注文の品」。料理だね。「料理がおそろいだ」。あれっ?「おそろいだ」って「そろう」の尊敬語だよね?


小秋先生

そうね。たとえば、旅行会社のガイドさんが、お客が全員そろっているかどうか確認する場面で使われる言葉ね。「皆様おそろいですね?」という具合にね。


犬山くん

「料理がおそろいだ」だと、お客の前で自分が出した料理に尊敬語を使ってしまっていることになるなあ。


小秋先生

そう。お客より、自分たちが提供する料理の方を丁寧に扱っていることになるわけよ。単に丁寧語だけを使って「料理はそろっていますでしょうか?」で十分よ。


犬山くん

 「ご注文の品はすべてそろっていますでしょうか?」か。なんだか、丁寧さが足りないなあ。料理は店が出すものだから、謙譲語を使ってみたらどうだろう?「おそろいしていますか?」とかね。


小秋先生

うーん、それには違和感を感じる人が多いんじゃないかしら。でも、「料理はそろっていますでしょうか?」って確かに丁寧さに欠ける気もするわね。そうねえ…「そろっていますか?」の「います」の部分を謙譲語にしてみたらどう?


犬山くん

「います」の謙譲語は「おります」だよね。「そろっておりますでしょうか?」。あ、これなら丁寧な感じがするね。「ご注文の品はすべてそろっておりますでしょうか?」これで解決だね!


小秋先生

ただ、「ご注文の品はおそろいでしょうか?」がすっかり定着している店では、残念だけどお店の方針にあわせた方がいいかもしれないわね。


犬山くん

え?なんで?


小秋先生

残念なことだけど、一人だけ違う言葉づかいをすると、「協調性がない」とみなされて、仲良くしてもらえなくなるおそれがあるのよね。


犬山くん

そういうものなのか…人間の世界ってなんだかめんどうだなあ。

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