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4 目上の人に「できますか?」とたずねる

4 目上の人に「できますか?」とたずねる

パーティー会場での、山本くんと取引先銀行の中田さんの会話です。中田さんがフランスにも留学したことがあるときいて、「フランス語をお話しになれるんですか?」と質問した。横で服部課長がハラハラしながら部下の山本くんのようすをうかがっているが、どうして?

小秋先生 危険だわ。まあ、中田さんは喜んでいるみたいだからよかったけど…
犬山君 え?山本くん、何か間違ってる?「話す」の尊敬語「お話しになる」に「○○できる」という意味をあらわす言葉「れる」をつけて「お話になれる」。問題ないんじゃないの?
小秋先生 ええ。敬語としては問題ないわ。ただ、目上の人に対して「○○ができるか」と問うのは、失礼とされているのよ。これもマナーの話になってしまうんだけど。
犬山君 そういえば「ゴルフがおできになりますか?」なんて言わないし、言ったとしたらすごく失礼な感じだよね。
小秋先生 ええ。相手がゴルフができなかった場合のことを考えてみてよ。
犬山君 恥をかかされたと思うだろうね。でも、できるかどうか聞きたい場合もある。どうすればいいのかなあ。
小秋先生 ゴルフなどスポーツについては、「できるかどうか」ではなく、「するかどうか」をたずねるといいわ。「しますか?」の尊敬語「なさいますか?」を使って「ゴルフをなさいますか?」という具合にね。あるいは、「ゴルフはお好きですか?」でもいいわね。
犬山君 なるほど。「ゴルフをなさいますか?」とたずねると、「いや、一度やってみたんだが向いてないようでね」とか「入社以来やっているから、かれこれ30年になるかなあ」なんて反応が返ってくるだろうから、そこからその人がゴルフができるかどうかはわかることだもんね。じゃ次、フランス語の場合は?
小秋先生 語学の話題は、こちらから振らない方が無難ね。とくに英語はダメ。できないことをコンプレックスに感じている人も多いから。
犬山君 でも、中田さんの場合は、留学経験があるという話を受けてのことだから、振ってもいいんじゃないの?実際、自分の語学力を自慢できてうれしそうだよ。
小秋先生 今回はラッキーだったわね。留学していたからといって、フランス語が話せるとはかぎらないでしょ。
犬山君 そうか、中田さんがたまたまフランス語自慢の人でよかったということなんだね。
小秋先生 そうそう。相手がその言語が得意だということがわかってる場合を除いて、話を振らない方がいいわよ。そして、得意なことがわかっている場合も「できる」という形では言わないこと。
犬山君 「お話になれるんですか」は、やはり失礼なんだね。
小秋先生 ええ。「フランス語がご堪能だとうかがっておりますが、」などと前置きして具体的な質問をするのがいいでしょうね。
犬山君 大人の世界は難しいねえ。

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