取引先の渡辺さんとその上司の「御手洗」さんと初対面の挨拶をかわす山本くん。御手洗さんは名前を言ってくれたが、山本くんには聞き取れなかった。名刺を見ても読めないので、もう一度名前を言ってもらいたくて「あの、お名前をもう一度・・・」と言ったのだが、もっとスマートな言い方はないのだろうか。
犬山くん 「オテアライ」さん!?
小秋先生 ちがうちがう。「ミタライ」さんよ。
犬山くん そ、そうなのか。知らなきゃ絶対読めないね。こういう場面って困るよねえ。さて、「お名前をもう一度…」を、もっとスマートに言うにはどうすればいいんだろう?
小秋先生 「名前をもう1度言ってもらえますか」とお願いしたいわけよね。それを敬語に変換してみてくれる?
犬山くん えーと 「名前」は目上にあたる取引先の人の名前だから、「お」をつけて「お名前」だよね。
小秋先生 そうね、「名前」の尊敬語ね。
犬山くん で、「言う」のも取引先の人だから、尊敬語を「おっしゃる」を使って「お名前をもう一度おっしゃってもらえますか」でいいのかな?
小秋先生 「もらう」は変換しなくていいのかな?
犬山くん あっ、そうか。目上の人に言って「もらう」のは山本くんだから、謙譲語「いただく」を使って「おっしゃっていただけますか」としなきゃいけないね。「お名前をもう一度おっしゃっていただけますか?」が正解だ。
小秋先生 よろしい!あと、これは敬語の話ではないけれど、ちょっと言いにくいことを言う場合、「失礼ですが」とか「恐れ入りますが」を前置きすれば角が立たないわよ。
犬山くん 「失礼ですが、お名前をもう一度おっしゃっていただけますか?」「おそれいりますが、お名前をもう一度おっしゃっていただけますか?」
小秋先生 そう、それでいいわ。あと自分が相手に「聞かせてもらう」ことを敬語に変換して、「お名前をもう一度お聞かせいただけますか?」と言う手もあるわね。
犬山くん あと、名詞を渡されたものの、名前の読み方がわからない目上の人が、「はじめまして」とか何とか言ったきりで名乗ってくれない場合はどうすればいいのかな?名前の読み方をこちらから聞かなければいけない場面なんだけど。
小秋先生 まず、敬語を使わずに言ってみましょうか。
犬山くん 「名前は何と読めばいいですか?」だよね。
小秋先生 はい、それをさっきと同じように敬語に変換してみましょう。
犬山くん 「読む」のは自分だから謙譲語で言わなきゃいけないね。「お読みする」を使って「失礼ですが、お名前は何とお読みすればいいですか?」かな?
小秋先生 「いい」の丁寧な言い方「よろしい」を使った方がいいかな。あと、「ですか」より「でしょうか」の方が丁重ね。
犬山くん 「失礼ですが、お名前は何とお読みすればよろしいでしょうか?」
小秋先生 はい、それでOK。これで名刺交換も怖くないわね。
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