Question
お客様と電話で会話をする際に、「~ております」という言い方を頻繁に用いています。
例
聞いております
案内しております
これらは、「~ています(聞いています、案内しています)」をより丁寧に言おうとして、「~ております」と表現したものなのですが、このような言い方は敬語の使い方として正しいのでしょうか? ご教示お願い致します。(K様)
Answer
「おる」は、自分や自分サイドに属する人間の「いる」という状態を、へりくだって言う謙譲語です。よって、お客様に対し、「~ております」と表現するのは敬語の使い方として正しいと言えます。
ただ、その「~ている」動作に、<目上の人>が関係してくる場合には、ちょっと事情が変わってきます。
まず、例として挙げてくださった「聞いております」について考えてみましょう。
こんな場面を想像してみてください。
登場人物は、自分と上司とお客様。ここで、自分サイドの人間である上司が私に何かを聞かせたとして、それに対し、「(その件については)聞いております」などと言うのはOK。
しかし、目上であるお客様が私に何かを聞かせたとして、同じように答えたのでは、少し失礼な印象を与えかねません。
このようなときには、「聞く」を謙譲語に変えて、「伺っております」とする必要があります。「~ています」を「~ております」に変換するだけでは、不十分ということですね。
次に、「案内しております」について。
この場合、案内という行為の受け手、すなわち案内される立場の人は、お客様等の目上の人だと思われます。たとえば、住宅展示場などで、やってきたお客様に対して、担当者が「私はいま、二世帯住宅ゴージャスプランBについてご案内しています」とでも言うような場面。
この場合も、「ご案内しております」では不十分。「案内する」の部分を、「ご案内いたす」や「ご案内申し上げる」といった謙譲語に変えて、「ご案内いたしております」「ご案内申し上げております」などとするのが適切です。
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