「亡くなられる」は二重敬語で間違いなの!?
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Question

いつもお世話になっております。日本語について分からない所がありますので、忙しい所すみませんがご教授頂けたら有り難く存じます。「亡くなられた」は、二重敬語になるので間違いでしょうか?お手数おかけしますが、よろしくお願いします。(S様)

Answer

「亡くなられる」は正しい言い方なのでしょうか?それとも、悪名高き「二重敬語」として間違いということになるのでしょうか?

確かに、一見したところ、「死ぬ」の丁寧語が「亡くなる」で、その段階で既に敬語の形を成していると思われ、それを「~られる」にすると二重敬語でアウトのような気もしますよね。

しかし、辞書的には、「亡くなる」は「死ぬ」の婉曲的な言い方であり、敬語としては扱われていないようです。

「亡くなる」の意味を調べてみたところ…。

「人が死ぬ」の婉曲的な言い方。「恩師が―・られた」(デジタル大辞泉)

人が死ぬことを,「死ぬ」よりもやや婉曲にいう語。 「先生が-・る」 「 - ・った母がこう申しました」”(三省堂 大辞林)

この考え方によると、「~られる」を使って「亡くなられる」、または、「お~なる」を使って「お亡くなりになる」としても、おかしくはないことになります。

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念のため、敬語の基本的な考え方や具体的な使い方を示した、文化審議会答申「敬語の指針」(平成19年月2日)も調べてみました(弊サイトは基本的にこちらの見解に従って編集されています)。

敬語の指針(文化審議会答申)

ところが、残念ながら、「亡くなる」に関する直接的な記述は見当たらず…。

ただ、こんな一節を発見しましたよ。

慣習上 「お(ご)」と組み合わせることがなじまず 「お(ご)……になる」の形が作れない動詞もあるので,注意を要する。
例:×お死にになる(→お亡くなりになる,亡くなられる)”

ここではなんと、「お亡くなりになる」や「亡くなられる」といった表現に、ゴーサインが出されています。

もちろん、「敬語の指針」が絶対とは言えません。

ですが、大学教授や元NHKアナウンサー、元国立国語研究所長などいわば日本語に超うるさい人々で構成された文化審議会が許容しているのですから、使用しても問題はないのでは!?

というのが、あくまで実用性重視の「ビジネス敬語」に関する情報発信を主眼とする弊サイトの見解ということで、ご参考いただければ幸いです。

小秋

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