不在時の電話に「折り返してください」っておかしくない?
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Question

折り返してください。という表現は問題ないのでしょうか?

電話を受けた時、担当者が不在で、戻って来た担当者へ「○○社の○○さんからお電話ありました。折り返してください」という事務の女性がいます。

担当者が目上の相手である場合でも電話があったので折り返してください。折り返してもらっていいですか?とその人は言います。

これは適切なのでしょうか?

気になって仕方がないのでご回答いただければ幸いです。(W様)

Answer

結論から言うと、「折り返してください」は適切ではありません。

不在にしていた人に、留守の間に電話があったので、それへの返答の電話をしてほしい、という趣旨のことを伝えるには、「折り返し電話してください」と言うのが一般的です。

伝える相手が目上の人であれば、「折り返しお電話なさっていただけますか?」「折り返しお電話をお願いいたします」などと、敬語を使ってお願いする形で言うのが適切でしょう。

電話の相手の発言をそのまま使って、「「折り返しお電話ください」とおっしゃっていました」とするのもアリだと思います。

「電話する」の部分を抜いた「折り返してください」が適切ではない理由は、「折り返し電話する」の「折り返し」が動詞ではないからです。

この場合の「折り返し」は「手紙・問いかけなどに対し、間を置かず対応するさま」(デジタル大辞泉)という意味の副詞。「電話する」を修飾する言葉なので、「電話する」を抜くと文が成り立たないのです。

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今後、「折り返してください」と言われたら、「折り返し、何?」「折り返しどうすればいいの?」などと聞き返してみると、少しは胸がすいていいかもしれません。

ところで、ここから先は蛇足になりますが、実は、「折り返し電話してください」でも、不適切とされる場面があるんです。

「折り返し」の意味「手紙・問いかけなどに対し、間を置かず対応するさま」に、「間を置かず」という一言が入っているのにお気づきでしたでしょうか?

そう、「折り返し電話する」は、単に「返答の電話をする」という意味で使われがちですが、本来「すぐに返答の電話をする」という意味なのです。

なので、電話の相手が急ぎの返答を要求していない場合(単に「電話くださいとお伝えください」と言った場合)に、「折り返しお電話をお願いいたします」と伝言するのは、不適切ということになります。

ここから翻って、自分が伝言を残す場面を考えてみますと、「折り返し」を使うのは危険ではないかという気がしてきませんか?本来の意味で捉えている人からすると、返答を急かされたことになるわけですから。

もちろん、昨今の傾向からすると、多くの場合問題はないと思われます。ただ、念のため、特に目上の人に電話の返答をお願いする場合などには、「折り返し」は避けた方が無難かもしれません。

小秋

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