取引先の人に「そこに座ってください」とお願いする
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会社をたずねてきた取引先の人たちに、席に座るようにすすめる山本くん。しかし「そこへお掛けください」という言い方は、果たして適切なのだろうか?

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小秋先生小秋先生

取引先の人に「座ってください」というときに、「おかけください」とちゃんと尊敬語で言えたのは、えらいわ。


犬山くん犬山くん

目上の人に「座ってください」というときは、「おかけください」と言うんだね。


小秋先生小秋先生

そう。あと、「座る」の尊敬語には「おかけになる」というものもあるので、それを使って「おかけになってください」と言ってもいいわね。


犬山くん犬山くん

そういえば、満席のレストランで席が空くのを待つ時なんかに、「おかけになってお待ちください」なんて言われるよね。


小秋先生小秋先生

でしょ?目上の人の「座る」の言い方としては、ほかに「お座りになる」「座られる」もあるけど、「おかけになる」が、最もきちんとした印象を相手に与えられるので、しっかりおぼえておいてね。


犬山くん犬山くん

山本くん、よく知ってたなあ。でも、「そこへおかけください」という発言が雑なような気がするのはなぜだろう?


小秋先生小秋先生

「そこへ」がまずいのよね。「そこ」にはていねいな言い方「そちら」があるんだから、目上の人に対しては「そちら」を使った方がいいわね。


犬山くん犬山くん

そうかあ。それで雑な気がしたんだな。


小秋先生小秋先生

ものや方向を指し示す言葉「これ」「それ」「あれ」「どれ」には、それぞれていねいな表現「こちら」「そちら」「あちら」「どちら」があるのよ。目上の人と話す時には、「こちら」「そちら」「あちら」「どちら」を使った方がいいわね。


犬山くん犬山くん

なるほどね。「こちらがセミナー会場です」「そちらにおかけになってお待ちください」「あちらが課長の西川です」「どちらがお好みでしょうか」という具合かな。


小秋先生小秋先生

あっ、「あちらが課長の西川です」はよくないわ。


犬山くん犬山くん

えっどうして?


小秋先生小秋先生

指し示すものが身内の人である場合、「こちら」「あちら」を使うと、目上の人に対して身内を立てたことになってしまうの。


犬山くん犬山くん

そうか。会社のお客との関係では、自分のところの課長は身内にあたるから、お客に対して課長を指して「こちら」「あちら」って言ってはいけないんだね。でも、何と言えばいいのかなあ。


小秋先生小秋先生

「あれ」「これ」よ。


犬山くん犬山くん

「これが課長の西川です」「あれが課長の西川です」かあ。「あれ」は課長本人が目の前にいないからいいとして、「これ」の場合は、課長本人の前でいうわけだよね。それはさすがに言いにくいや。


小秋先生小秋先生

確かにねえ。「これ」は使わずに、「課長の西川です」だけの方が無難かもしれないわ。言葉の正しさを追求すると、失礼になってしまうことがあるのが難しいところなのよね。


犬山くん犬山くん

ほんと、難しいもんだね。ところで、逆に、身内にお客のことを紹介する場合は、「こちら」を使って「こちらが渡辺さんです」でいいんだよね。


小秋先生小秋先生

正解!

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