Question
職場で、新しくやってきた上司から仕事の手順やルールの根拠について聞かれることがあるのですが、正直、私に聞かれても困ると思うことが多々あります。
私が前任者から引継ぎを受けるときには、「ずっとこうしてきたからこれで大丈夫」と言われました。根拠となる文書やマニュアルのようなものもなかったです。
ということで、私には根拠はわからないことを上司に伝えたいのですが、そのまま「わかりません」と言うと無能だと思われそうで怖いです。何かもっとビジネスっぽくて、ちゃんとした言い方はないでしょうか。
Answer
「私にはわからない」を上司にどう伝えれば有能なビジネスパーソンっぽく聞こえるかというお悩みだと理解しました。
対策としてまず考えられるのは、「わかりません」を敬語に変換することです。
直接、敬語に直すのは難しいので、「知りません」に一度置き換えて、敬語変換しましょう。「(私は)知りません」を敬語で言うと「存じません」です。「存じる」は「知っている」の謙譲語です。
他の言い換え候補としては、「わからない」のあらたまった言い回し「わかりかねる」「不明だ」があります。敬語ではありませんが、ビジネスの場における発言っぽくなります。
- 根拠についてはわかりかねます。
- 根拠については不明です。
ただ、この回答を聞いた上司の方が、「この部下はできるな」と思うかどうかは別です。というのは、言い方はビジネスっぽくても、「わからない」で終わっているからです。「なぜわからないままで放置なのか?」という不信感をいだく可能性が高いです。
ということで、「わからない」を使わないで、前任者からの引継ぎの事情を説明してみましょう。例えばこんな感じです。
さらに、現状や今後の対処法を付け加えてみましょう。例えばこんな感じです。
ビジネス然とした言い回しで、現状を示しつつ相手を安心させる効果もあると思うのですが、いかがでしょうか。
「そんなこと言ったら自分がわからないことを確認する羽目になるじゃない!」と思うかもしれません。しかし、私の経験ではこれで話がうやむやになる可能性があります。自分の一存でこれまでのやり方を変えるのは避けたいというタイプの上司は少なからずいるからです。
運悪く(?)上司の方が、業務改善に乗り気である場合は、一時的に質問者様の仕事が増えるかもしれませんが、そこは機会ととらえましょう。
確認の結果、無駄だと思える手順を省いたり、謎のルールをなくしたりして、ご自身の仕事をやりやすく作り変えることができるかもしれません。ぜひお試しください。
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