スポンサードリンク

<イントロダクション>

犬山くん

タカラ物産でもとうとう本格的にテレワークが導入されたね。いかにも昭和の会社だと思っていたけど、やるときはやるなあ。今日なんかは、総務の服部課長しか出社していないよ。

小秋先生

システム課の山本君ががんばったからね。今やほとんどの業務がオンラインでできるようになったんですって。ただ、山本君はやはり敬語に難があるみたいねえ。服部課長が、彼のメールを読んで眉をひそめているわ。

犬山くん

山本君から全社員に向けて、月例ミーティングの案内が来たみたいだね。どれどれ。

今月の定例ミーティングはオンライン開催です。
各自、オンライン会議システム『Web郎くん』を通じて参加されてください。
※リアル会議は行いません。ご注意してください。

スポンサードリンク
小秋先生

さて、犬山君はこの文章のどこがおかしいか分かる?

犬山くん

まず、二つ目の文の「参加されてください」に違和感を感じたよ。「参加してください」を尊敬語で言おうとして、失敗してしまっている気がするなあ。

小秋先生

「参加してください」は尊敬語で言うとどうなる?

犬山くん

相手の「参加してくれる」という行為を、尊敬語「参加してくださる」に変換して、それをお願いの形にするんだったね。「ご参加ください」が正解じゃないかな。

小秋先生

その通り。「各自、オンライン会議システム『Web郎くん』を通じてご参加ください」が適切よ。確かに「参加する」の尊敬語には「参加される」という表現もあるけど、それに単に「~てください」を付けてお願いの形にしてしまうのは、不適切なの。

犬山くん

まずは「参加されてください」を「ご参加ください」に修正だね。次は、三つ目の文だ。「ご注意してください」にも違和感があるんだけど…。

小秋先生

よく気がついたわね。「注意してくれる」の尊敬語「ご注意くださる」をお願いの形にした「ご注意ください」が適切よ。

犬山くん

「して」が余分なんだね

小秋先生

ええ。「参加する」「利用する」「利用する」「着用する」「協力する」など、漢字二文字+「する」というタイプの動詞は、人にお願いする場合には「ご~ください」となると覚えておくといいわ。

犬山くん

「ご~してください」ではないのでご注意ください、ってとこだね。

小秋先生

そうそう、しっかりマスターしているわね。

犬山くん

ところで、あとひとつ気になる点があるんだ。三つ目の文は、会議はオンラインのみでの開催だから会社の会議室に来ても誰もいないよってことを言いたいわけだけど、「リアル会議」って言葉は、会社のメールで使う表現として適切なのかなあ。

小秋先生

そうねえ。参加メンバーの間で「リアル会議」という呼び方が共有されている場合なんかはそれでもいいかもしれないけど、そうでない場合は使わない方が無難かも。

犬山くん

でも、使わないとして何と言えばいいのかなあ。

小秋先生

そうねえ。「会議室を利用しての会議」「対面型の会議」「従来型の会議」というところかしら。要は参加メンバーが「ああ、あのWeb会議ではないおなじみの会議のことだな」とイメージできればそれでいいと思うのよ。

犬山くん

なるほど。手抜きをしないで、みんなに分かりやすい表現を考えることだね。さて、以上をふまえて山本君のメールを書き直してみよう。

今月の定例ミーティングはオンライン開催です。
各自オンライン会議システム『Web郎くん』を通じてご参加ください。
※対面型の会議は行いません。ご注意ください。

犬山くん

こんな感じかな。あっ、でも二つめの文と三つ目の文がどちらも「ください」で終わっている。何だか文章を書きなれてない人のメールって感じがして好きじゃないな。

小秋先生

犬山君もずいぶん文章表現に敏感になったものねえ。この場合は、最後を「ご注意願います」で締めるというのはどうかしら。すっきりするわ。

犬山くん

よし、これで完成だね。次のミーティングの告知メールはこの文面を使うといいよって、山本君にすすめてあげようっと。

今月の定例ミーティングはオンライン開催です。
各自オンライン会議システム『Web郎くん』を通じてご参加ください。
※対面型の会議は行いません。ご注意願います。

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます