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<イントロダクション>

犬山くん

今日はタカラ物産でオンライン会議が開催されるよ。今後の戦略を話し合うという名目だけど、実質は各メンバーの予定の発表会だね。スケジューラーで予定を共有するだけでいいと思うんだけどなあ。

小秋先生

まあまあ。最近、みんな在宅勤務が続いているから、みんなの姿を見ることができたり、タイムリーに質問ができたりするのはいいことなんじゃないかしらね。それに、外部の人とのWeb会議の練習にもなりそうだし。

犬山くん

確かに、練習は必要かもしれない。中山さんが西川課長をムッとさせてしまっている。

小秋先生

あら。中山さんは、何て言ったの?

犬山くん

西川課長の音声が聞こえにくかったから、指摘したんだ。「西川課長の声が小さくて聞こえませんでした。もう一度お話しください。」って。

小秋先生

あーそれは角が立つわ。

犬山くん

でも本当のことだよ。テレワークになって実はやることがないからって、予定をごまかしがちにモゴモゴ話すからいけないんだ。

小秋先生

またそんな正論を…仮にも相手は上司なんだから、一応相手を尊重した言い方をしなくてはいけないわ。

犬山くん

そうだね。よその会社の人とのオンライン会議で、同じことを言ってはまずい気がする。相手が言ったことが聞こえなくて、発言を繰り返してほしい場合、どんな敬語表現をすれば失礼にあたらないかなあ。

小秋先生

この場合は、敬語表現の前に発言の内容から考え直す必要があるわね。というのは、目上の人の行動について指摘をしたり、指示をしたりすることは、一般的にふさわしくないと考えられているからなの。

犬山くん

敬語が適切でも、「聞こえにくい」「話してください」って言っちゃダメってこと?

小秋先生

ええ。オンライン会議でお客様や上司がモゴモゴしゃべっていたり、背後がうるさかったりして、発言が聴き取りにくかったとしても、そのものズバリを指摘しない方がいいわね。

犬山くん

じゃあなんと言えばいいのかなあ。

小秋先生

「音声の調子が悪いようです」「回線が混雑しているようです」というところかしら。とにかく、あなたに原因があるとは思ってませんよ、というスタンスを示すことが大事よ。

犬山くん

うーん、通信のせいにしてしまうのか。システム担当の山本君に悪いような気がするなあ。

小秋先生

確かにね。でも、上司やお客様の機嫌を損ねてしまっては困るでしょ。テレワークが続いている中では、あとで直接お目にかかってフォローをするのも難しいでしょうし。

犬山くん

確かにそうだね。ところで、中山さんは西川課長の声が聞こえにくいことを指摘した後で、「もう一度お話しください」と発言したわけだけど、この部分も問題ありなんだよね。

小秋先生

ええ。「お話しください」は「話してください」の尊敬語として正しいんだけど、それだと相手が話すのが当然という響きがあるのよね。人によっては「偉そう」「上から目線」だと思われる恐れがあるわ。

犬山くん

うーむむ、これまた面倒だなあ。だとして、この部分はどう修正すればいいのかな。

小秋先生

あくまでもお願いをするという形をとって、「話してもらえますか?」と問いかける方がいいわね。犬山君、これを敬語に変換してみてくれる?

犬山くん

「お話しいただけますか?」かな?

小秋先生

いいわね。「話してもらう」を「お~いただく」という謙譲語の型を使って「お話しいただく」とした上で、お願いの表現を重ねているわね。さらに丁寧に言いたい場合は、「お話いただけますでしょうか」「お話しいただいてもよろしいでしょうか」などもアリよ。

犬山くん

よし、では中山さんの発言を、課長からムッとされない形に直してみよう。
「回線が混雑しているようです。もう一度お話しいただいてもよろしいでしょうか」
というところかな?

小秋先生

そうね。あと、冒頭に「クッション言葉」を置くとさらに角が立ちにくくなるわ。

犬山くん

クッション言葉?

小秋先生

「恐れ入りますが」「失礼ですが」「申し訳ありませんが」など、前置きの言葉のことよ。いきなり本題に入るより、相手に配慮している印象を与えることができるわ。

犬山くん

なるほどこれは便利だ。
「恐れ入りますが、回線が混雑しているようです。もう一度お話しいただいてもよろしいでしょうか」
だね。これで外部の人とのオンライン会議もばっちりだ!

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