Question
社内会議のプレゼンの場面などで、「ご説明させていただきます」という表現を耳にすることがありますが、自分が説明するのに「ご」をつけるのはおかしくないですか?(H様)
Answer
自分の「説明」に「ご」をつけるのはおかしくないか?というご質問をいただきました。
結論から申しますと、「ご説明させていただきます」の「ご」は、問題ありません。というのは、この場合の「ご」は「ご~する」という謙譲語の型の一部だからです。
「ご説明させていただきます」は、「説明する」を、謙譲語の型「ご~する」に当てはめた上で「~ていただく」という形にしたもの。自分のものに「ご」をつけてしまうという敬語の誤りではないのです。
ただ、これは論点が別になりますが、「させていただく」がくどいと感じる人もいます。
なので、突っ込まれる余地を一切なくしたい場合は、「ご説明いたします」「ご説明申し上げます」などとするのが適切かと思います。
なお、「説明する」という動詞ではなく、名詞の「説明」であっても、それが目上の相手に向かうものであれば「御(ご)」を付けてかまわないという説があります。
国の「敬語の指針」はこの立場をとっています。
【解説3:名詞の謙譲語Ⅰ】
「先生へのお手紙」「先生への御説明」のように,名詞についても,<向かう先>を立てる謙譲語Ⅰがある。
「御説明」は、目上の人の「説明」をあらわす尊敬語として使われますが、目上の人に対する自分の「説明」をあらわす謙譲語。
この場合の「御」は、説明が向かう相手を立てるものであって、自分の「説明」を敬って言うものではないという考え方です。
ということで以上、自分の「説明」に「ご」をつけるのはおかしくないか?というご質問にご回答申し上げました。
接頭語「お」「ご」をつけるのが適切かどうかは、なかなか悩ましい敬語の問題です。接頭語については、他のQ&Aでもご説明しておりますので、あわせてご参考いただけましたら幸いです。
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