
山本くんがメールを作成しようとして、悩んでいる。「先日差し上げましたお手紙でもご説明しましたとおり」は、正しいのか?どうやら自分の「説明」「手紙」に「お」「ご」をつけていいものやら、悩んでいるらしい。さて、この問題の正解は?

「先日差し上げましたお手紙でもご説明しました通り」という文章の、「手紙」「説明」の上に、「お」「ご」をつけたり消したりしてるよ。

ああ、自分の手紙や説明に「お」「ご」をつけるべきかどうか迷ってるのね。

そうみたい。確かに迷うんだよね。自分のものなのに「お」や「ご」をつけちゃっていいのか。かといって、つけないと失礼なやつだと思われるんじゃないかって不安になるんだよね。「お」「ご」をつけるべきかつけざるべきか、それが問題だ。

まず「ご説明」はOK。山本くんが書いた「ご説明しました通り」の「ご説明」、これは、自分が目上の人に何かを説明するときに使う謙譲語「ご説明する」の一部なのよ。

そうかあ、「ご説明する」でひとまとまりなんだね。じゃ、よく聞く「ご説明いたします」の「ご説明」もいいのかな。

そうね。「ご説明いたす」は「ご説明する」の丁寧な表現。だからOKよ。

じゃあ「ご説明をいたしました通り」って書いた場合はどう?この場合の「説明」は名詞だから、自分のものに「ご」をつけていいのかって問題はやっぱり発生するよ。

うーん、ここは学者さんたちの間でも意見が分かれるところらしいんだけど。説明って、向かう相手がいるでしょ。その相手が目上の人である場合は、自分の説明でも「ご」をつけてもいいらしいのよ。だから「ご説明をいたしました通り」もOKよ。

へえー。じゃあ「手紙」も目上の人にさしだす場合は、「お」をつけて「お手紙」でOKってことで、いいのかなあ。

そうね、さっき言った説によれば、「お手紙」もOKよ。

そうかあ、安心したよ。あと、「お返事が遅れまして申し訳ございません」「先日ご返信を申しあげましたとおりです」の「お返事」「ご返信」、これもOKってことだね。

ええ、「お」「ご」は目上の人のものにつけるものだと思われがちだけど、自分のものでも、向かう先に目上の相手がいる場合は、ものの名前に「お」「ご」をつけてOKよ。
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