今夜のタカラコーポレーション主催のパーティーの準備に追われるレストラン“すみれ庵”。アルバイトの金(キム)さんが予約をとっている。「3月1日に2名様のご予約ですね。ご予約状況を確認いたします。少々お待ちになってくださいませ」「はい、大丈夫です。3月1日19時に2名様ですね。ありがとうございます。私、金が確かにお受けいたしました。」以上の発言におかしなところはないか?
お客様からの予約の電話だね。
んー。間違い敬語というほどではないけど、ワンランク上を目指すなら改めたほうがいいポイントがいくつかあるわね。一つ一つ確認していきましょう。まず「2名様のご予約ですね」の「ご予約」。
これはOKだよね。
ええ。電話をかけてきたお客さまの予約だから「ご」をつけてOK。でも、「ご予約状況」の「ご」は不要よ。「予約状況」は、自分の店についてのことだからね。「ご予約状況」というと、そのお客様が他にもなにか予約をしているというように聞こえてしまうわ。
「確認いたします」はいいのかな?
「確認する」の謙譲語「確認いたす」を使って「確認いたします」ね。ええ、OKよ。
「少々お待ちになってくださいませ」の「お待ちになってください」これはいいよね。「待つ」の尊敬語「お待ちになる」にお願いの表現「ください」をつけている。
いいわね。あと、同じく「待つ」の尊敬語「お待ちくださる」をお願いの形にして「お待ちください」としてもいいわよ。
「少々お待ちくださいませ」だね。こっちの方がよく聞くかな?さて、次、「大丈夫」は、若者言葉としてきらわれるおそれがあるから、使わない方がいいんだよね?
うん。「大丈夫」を使いたくなったら、まず自分が何を言いたいのか考えて、それを敬語に変換するようにしてみましょうね。
中山さんの場合は、自分たちが「席を用意できる」「予約できる」ということを言いたいわけだから、それを謙譲表現を使って「お席のご用意ができます」「ご予約いただけます」と言えばいいんだね。
そうそう。それでぐっと同期に差をつけることができるわよ。あと、「お受けいたしました」だけどね。
「お受けいたします」は、目上の人から何かを受けることだよね。それでいいんじゃないの?たとえば「ご要望をお受けいたしまして、改善をはかりました」とかね。
うん、それでもいいんだけど、「受ける」には「うけたまわる」という謙譲語があるのよ。「うけたまわる」のほうが、「お受けする」より改まった印象でいいと思うわよ。
えーと、じゃ、金さんの電話応対を、ワンランク上の敬語にあらためると「3月1日に2名様のご予約ですね。予約状況を確認いたします。少々お待ちになってくださいませ。」「はい、お席をご用意できます。3月1日19時に2名様ですね。ありがとうございます。私、金が確かにうけたまわりました。」だね。
そう。どう?ぐっと洗練されたでしょ!
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