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犬山くん

あわわわ、お客様からクレームだよ!

小秋先生

まあ、何があったの?

犬山くん

系列のレストラン「すみれ庵」が、お客様のご自宅にパーティー料理を宅配するサービスを始めてね。その販促のために動画を作ったんだ。

小秋先生

あら、いいじゃない。

犬山くん

問題はその中身なんだ。実際にお客様にご提供したコースを紹介する動画なんだけど、そのお客様が怒っちゃって。問題の部分を再生してみよう。店長兼シェフの中山さんのコメント部分だよ。えい。

「お客様が予算が厳しいとおっしゃるので、低価格なコースメニューをご提案したところ、『このお値段には見えない高級感だわ!』とお喜びいただけました。見栄えを重視しつつ、お手頃感を追求した自信作です。言われなければ低価格だとは分からないと思います」

小秋先生

あー…これはフォローできないわ。

犬山くん

そんなに簡単に投げないでよ。敬語は問題ないよね。お客様の「言う」はちゃんと「おっしゃる」に変換しているし、「ご提案した」「お喜びいただけました」も適切だと思う。

小秋先生

そうね。敬語は問題ないわ。

犬山くん

じゃあ、全面的に漂うこの失礼な感じの正体は何なんだろう。

小秋先生

「予算が厳しい」「低価格」「このお値段には見えない」「お手頃」がまずいわね。

犬山くん

でも、「予算が厳しい」「このお値段には見えない高級感だわ!」は、実際のお客様の発言ではないのかなあ。お客様の生の声を取り上げることは、大事だと思うけど。

小秋先生

うん、「お客様の声」だとはっきり分かるようにして取り上げるならありかもしれないわ。でも、今回の動画では、お店側のコメントとして出してるわけでしょ。お店の人が、お客様の「あんまりお金を出したくないけど立派に見せたい」という願望を表に出してしまう形になっては、まずいのではないかしら。

犬山くん

ああ、なるほど。目上の人の願望について言及するのは失礼にあたるって話があったよね。

小秋先生

ええ。なので、前半の部分は全面的に書き換える必要があるわ。
「あらかじめお伺いしたご予算とイメージに沿ってコースメニューをご提案したところ、見栄えも味もご期待以上とのお言葉をいただきました」
なんていうのはどうかしらね。

犬山くん

予算が「厳しい」という表現や「低価格」という言葉は使わないんだね。あと、「このお値段には見えない高級感」というお客様のセリフの部分は、「見栄えも味もご期待以上とのお言葉をいただき」と、お店側の視点に置き換えられている。

小秋先生

置き換えた結果、勢いはなくなったけど、すみれ庵は「コスパ最高!」というイメージで売ってるお店ではないので、安価であることを想像させる表現は避けた方がいい思うのよね。

犬山くん

なるほどなあ。では、「見栄えを重視しつつ、お手頃感を追求した自信作です。言われなければ低価格だとは分からないと思います。」の部分はどうしよう?

小秋先生

まず、「言われなければ低価格だとは分からないと思います。」は、丸ごと削除。お客様にしてみたら「一体、何をつかまされたのかしら?」と不安になってしまうわ。

犬山くん

たしかに「不正」「偽装」って言葉が頭に浮かぶなあ。「見栄えを重視しつつ、お手頃感を追求した自信作です」はどうすればいい?

小秋先生

これも全体的に書き換えが必要ね。見栄えは一つ目の文に盛り込んだからもういいわ。あとは、「低価格」「お手頃」という言葉を使わず、高品質なものをリーズナブルに提供できる理由を語ればいいと思うの。

犬山くん

そういえば以前、中山さんが「契約農場から直送された新鮮な素材を使っている」と話していたなあ。

小秋先生

じゃ、そのことを盛り込みましょう。
「契約農場から直送された新鮮な素材を使った、当店ならではの自信作をお楽しみください」
というのはどうかしら。

犬山くん

通して言うと、
「あらかじめお伺いしたご予算とイメージに従ってコースメニューをご提案したところ、お客様から見栄えも味もご期待以上とのお言葉をいただきました。契約農場から直送された新鮮な素材を使った、当店ならではの自信作をお楽しみください」
だね。さっそく中山さんに連絡して動画の撮り直しをするよ。でも彼女、舌をかまずに言えるかなあ。

小秋先生

これをそのまま使う必要はないわ。ポイントは、「低価格」「お手頃」など安い価格を具体的に連想させる言葉を使わないこと、お客様の「安くしてほしい」という願望を表さないことだと伝えてあげてね。

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