目上の人の家族について話す
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王君は、接待の席で、ほぼ初対面の取引先の鈴木部長と話していて、鈴木部長には自分よりひとつ年下の息子がいることを知った。鈴木部長の息子さんに興味を持った王くんは、「息子さんはどんな仕事をしてるんですか?」とたずねたのだが、鈴木部長はムッとした様子。上司の服部課長はあわててかけつけてきた。

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小秋先生小秋先生

あらあら、全く尊敬語を使っていないわね。どうしたのかしら。


犬山くん犬山くん

鈴木部長の息子さんが、自分より年下だから敬語を使わなくていいと思ったんじゃないかなあ、多分。


小秋先生小秋先生

それはダメよ。たとえ年下とはいえ、取引先の部長の息子さんですからね。部長についてのことを尊敬語を使って言うのと同じように、息子さんについてのことも尊敬語を使って言わなければね。


犬山くん犬山くん

目上の人のグループに属する人は、目上の人とみなすのだったよね。とすると、「息子さんはどんな仕事をしてるんですか?」の「仕事」は「お仕事」、「する」は、「なさる」というのが適切だね。


小秋先生小秋先生

そうね。あと、「お仕事をしている」の「いる」を尊敬語にして、「お仕事をしていらっしゃる」でもいいわね。


犬山くん犬山くん

「なさっていらっしゃる」というのはどう?


小秋先生小秋先生

「する」と「いる」をそれぞれ尊敬語にして「なさる」+「いらっしゃる」で「なさっていらっしゃる」ね。うーん、間違いではないけど、くどいとから嫌だという人もいるので、要注意ね。


犬山くん犬山くん

「どんなお仕事をなさっていますか?」「どんなお仕事をしていらっしゃいますか?」 が、正解だね。


小秋先生小秋先生

あ、ちょっと待って、忘れてたわ。「どんな」にも、「どのような」という丁寧な表現があるので、それを使った方がいいわね。


犬山くん犬山くん

「どのようなお仕事をなさっていますか?」、または「どのようなお仕事をしていらっしゃいますか?」だね。あと、「息子さん」という呼び方がなれなれしいような気がして、気になるんだけど・・・。


小秋先生小秋先生

そうね。親しい上司ならともかく、鈴木さんは取引先の人で、しかもほぼ初対面だからね。


犬山くん犬山くん

でも「息子様」じゃ変だしなあ。どういえばいいのかな?


小秋先生小秋先生

「息子」の尊敬語は、「ご子息」よ。


犬山くん犬山くん

目上の人の息子さんのことは、そう言うのか!「ご子息は、どのようなお仕事をなさっていますか?」か。おおっ、グッとしまったね。他に相手の家族の呼び名には、どんなのがあるの?


小秋先生小秋先生

たくさんあるから、とりあえず会話の場面で最低限これだけは、というものを挙げておくわね。まず、目上の人の奥さんは「奥様」、ご主人は「ご主人様」。


犬山くん犬山くん

ご主人は、「旦那様」、奥さんは「細君(さいくん)」でもいいのかな?


小秋先生小秋先生

「旦那様」はOK。でも「細君」はダメ。細君は自分の妻を指していう言葉よ。


犬山くん犬山くん

そ、そうなのか。知らなかったなあ!


小秋先生小秋先生

それから相手のお父さん、お母さん、おじいさん、おばあさん、おじさん、おばさん、お兄さん、お姉さんは、「さん」を「様」に変えればOKよ。


犬山くん犬山くん

「お父様」、「お母様」、「おじい様」、「おばあ様」、「おじ様」、「おば様」、「お兄様」、「お姉様」だね。弟さん、妹さんは?


小秋先生小秋先生

これも「さん」を様に変えればOKよ。「弟様」、「妹様」ね。


犬山くん犬山くん

息子さんは「ご子息」だったよね。「おぼっちゃま」でもOKなのかな?


小秋先生小秋先生

OKよ。あと、息子さんには「ご令息」という言い方もあるわよ。話し言葉ではあまり使わないけどね。


犬山くん犬山くん

そういえば、「ご令嬢」って聞いたことがあるけど、相手の娘さんのことをそう呼んでもいいのかな?


小秋先生小秋先生

いいわよ。ただ、これもどちらかといえば書き言葉ね。会話では、「お嬢様」で十分よ。

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