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自社への訪問を希望する取引先の渡辺さんに対して「当社へ参られる際には、地下鉄が便利です」と案内をする山本くん。山本くんの発言を聞いて、たまりかねた服部課長は…

犬山くん

来るのは取引先の渡辺さんだよね。目上の人が「来る」ことを「参る」って言っていいの?


小秋先生

ダメよ。「参る」は自分の「行く」「来る」を改まって言うときに使う謙譲語だもの。ちなみに、「れる」を付けて尊敬語っぽく「参られる」としてもダメよ。


犬山くん

ふうん。「参る」も「来る」の謙譲語なのかあ。「私は明日9時にここに参ります」という具合に使うのかな?


小秋先生

そうそう。「行く」という意味で使うなら「明日9時に御社まで参ります」という感じよ。


犬山くん

そういえば、「行く」の謙譲語には「うかがう」もあるって話だったけど、「参る」と「うかがう」はどう違うの?


小秋先生

「うかがう」は、「目上の人のところを訪問する」という時にしか使えないけど、「参る」は、自分側の人間の「行く」「来る」をあらたまって言うときにはいつでも使えるわ。


犬山くん

えーと、どういうことかなあ。


小秋先生

たとえば、お客さんと自分の上司の出張について話すような場面を考えるとわかりやすいわね。「来月、部長の石橋はパリに参ります」とは言えても、「部長の石橋はパリにうかがいます」とは言えないわけよ。パリは目上の人ではないからね。


犬山くん

なるほど!そういう違いがあるんだね。でも日本人の多くはパリに憧れがあると思うなあ。


小秋先生

それはそれで面白いテーマだけど、話が敬語からそれるからまた今度ね。ちなみにだけど、「うかがう」は「聞く」の謙譲語でもあるのよ。自分が相手の話を聞かせてもらう場面で使うの。


犬山くん

「部長のお話をうかがいました」って感じかな。


小秋先生

そう。さて、話を「参られる」に戻すわね。犬山くん、「当社へ参られる際には」を正しく直してみてくれる?


犬山くん

「当社へ来る際には」と言う意味のことを言いたいんだよね。「来る」のはよその会社の渡辺さんだから、「来る」を尊敬語で言わなきゃいけないんだ。「来る」の尊敬語は「いらっしゃる」だよね。「当社へいらっしゃる際には」これでOKだね。 


小秋先生

正解!でも、「来る」の尊敬語は「いらっしゃる」だけではなかったわね。他に何があったかしら?


犬山くん

「来られる」があったよね。「当社へ来られる際には」。これはどう?


小秋先生

うーん、敬語としては間違いではないけれど、「れる」がついた尊敬語は、丁寧さが少し落ちるのよね。よほど仲がいい取引先の人というのでない限り、使わないほうがいいわ。


犬山くん

じゃあ、今回は使わない方がいいね。今日初めて話す人だもの。えーと、「来る」の尊敬語には、他に何があったっけ?


小秋先生

「お越しになる」があるわ。


犬山くん

あ、そうか!「当社へお越しになる際には」だね。


小秋先生

そう、あと「お越しの際には」でもいいわよ。


犬山くん

ということは、「当社へ来る際には」の尊敬語を使った言い方には、「当社へいらっしゃる際には」「当社へお越しになる際には」「当社へお越しの際には」の3つがあるんだね。どれがいちばんいいのかなあ。


小秋先生

そうねえ、丁寧なのは「当社へいらっしゃる際には」「当社へお越しになる際には」だけど、仕事の場面では「当社へお越しの際には」がスマートでいいかな。何より言いやすいしね。


犬山くん

よし、「当社へお越しの際には」、とりあえず、これを押さえておくぞ!

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