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直属の上司の西川課長に、石橋部長から内線電話がかかってきたが、西川課長は席にいない。西川課長への伝言を頼まれた山本くんは、「西川課長はただいま席を外しています。はい、かしこまりました。そのように申し伝えておきます」と言ったが、上司である課長の動作を言うのにそれでいいのか?

小秋先生

西川課長、帰ってこないわね。


犬山くん

デスクより喫煙室にいる時間の方が長いって人だからなあ。それはともかく、課長の「席を外す」は尊敬語を使って言った方がいいんじゃないのかなあ?「席を外していらっしゃいます」とかさ。仮にも上司なんだから。


小秋先生

そうね。でも、山本くんが話しているのは石橋部長、つまり西川課長のさらに上司にあたる人よ。


犬山くん

あ、そうかあ。課長のすることについて尊敬語を使うと、部長の前で課長を丁寧に扱うことになってしまうよね。部長は課長より目上だから、ちょっと違和感あるなあ。じゃ、「席を外しております」がいいのかな?


小秋先生

うん、それがねえ。取引先やお客など、社外の人を相手に、自分の上司について話す場合とは少し事情が違うのよ。というのはね、社外の人に対する場合は、自分の会社の人間は、社長といえども自分の身内として、自分と同じに扱うという敬語上のルールが確立しているんだけど…。


犬山くん

うんうん。


小秋先生

社内の人同士のやりとりについては、はっきりした敬語上のルールはないのよね。


犬山くん

ということは…


小秋先生

社内の人間関係によって変わってくるということ。


犬山くん

「席を外しております」にも「席を外していらっしゃいます」にもなりうるってこと?


小秋先生

ええ。その辺は、空気を読んでください、ということで。


犬山くん

そんなの無責任だよ!社内の人間関係が読めない場合はどーするの?


小秋先生

うーん、そうねえ…じゃ、同じシステム課の人ということで、山本君は西川課長を身内とみなして、自分と同じに扱うことにしましょうか。


犬山くん

自分と同じかあ。その場合は、「課長は席を外している」は、謙譲語を使って「課長は席を外しております」と言うことになるね。


小秋先生

そう。社外の人に対して、自分の上司のことを話すときと同じパターンよ。


犬山くん

でも、西川課長が、山本くんの発言を聞いたら気を悪くしないかなあ。今は課長はいないからいいけど。


小秋先生

うーん、そうねえ。さっきも言ったように、社内の人同士のやりとりについては、はっきりした敬語上のルールはないのでね。西川課長が、部署が同じだからということで、山本くんから身内扱いされることを、どう思うかによるわね。


犬山くん

課長は、あれで自分が上だって意識は強いみたいだからねえ。たとえば、山本くんが部長と西川課長と3人で話している場合に、西川課長のすることついて何か言うときはどうすればいいんだろう?


小秋先生

ああ、3人で同席しているときに、山本くんが「部長、さっき課長が言ったことですが」というようなことを言う場面ね。こういう場面で課長が「言った」ことを尊敬語で「おっしゃった」と言うのか、謙譲語で「申し上げた」と言うのか。この問題って、それだけで本が一冊書けてしまうくらい、けっこう厄介な問題なのよね。別にセクションを設けてじっくり考えることにしましょうか。


犬山くん

うん、分かった。小秋流の解決方法を楽しみにしているよ。

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