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石橋部長から呼び出された西川課長は、打ち合わせに必要な書類をバタバタと準備している。山本くんは打ち合わせに関連がありそうな書類を課長に渡そうと「課長、この書類もミーティングルームにお持ちしますか?」と尋ねたのだが、なぜか課長は「あ、そう?ありがとう。じゃ頼むよ!」と言って、その書類を持たずに行ってしまった。なぜ?

犬山くん

山本くんは、課長が自分でその書類を持っていくのかどうか確認したかっただけだよね?


小秋先生

そうね、でも勘違いされても無理はないわね。さて、何が問題だと思う?


犬山くん

課長に「持っていくか?」って聞きたいわけだね。「持っていくか」を、尊敬語を使って「お持ちしますか」って言ってるわけだ。別に問題ないように思えるけど…


小秋先生

ちょっと待って!「お持ちになる」と「お持ちする」を取り違えていない?


犬山くん

あ、そうだ!「持っていく」の尊敬語は「お持ちになる」だ。「お持ちする」は、自分が目上の人に何かを持っていくことを言う謙譲語だったね。うっかりしてたなあ。


小秋先生

そうそう。尊敬語「お持ちになる」と謙譲語「お持ちする」は、まぎらわしいので要注意よ。


犬山くん

山本くんは、「課長は自分で書類を持っていくか」って聞きたかったんだから、「課長、この書類もミーティングルームにお持ちになりますか?」って言わなきゃいけなかったんだよね。


小秋先生

そうなの。それなのに謙譲語「お持ちする」を使って「お持ちしますか」なんて言ったものだから、課長は「持つ」のは山本くんだと勘違いしてしまったわけなのよね。


犬山くん

だから課長は山本くんに「頼むわ!」って言ったのかあ。「お持ちになる」と「お持ちする」を間違えると意味が変わってしまうんだなあ。


小秋先生

そう、「お持ちになる」は尊敬語で、目上の人の「持つ」をあらわすのよね。他方、「お持ちする」は謙譲語で、自分が目上の人の何かを持ったり、目上の人に何かを持っていったりすることをあらわすの。


犬山くん

「お持ちになる」のは目上の人、「お持ちする」のは自分だね。


小秋先生

そうそう、間違えると、誰が「持つ」のかわからなくなって混乱しちゃうので、注意が必要よ。


犬山くん

分かった。「課長が持っていきますか?」と言いたいときには「お持ちになりますか?」、「僕が持っていきましょうか?」って言いたいときには、「お持ちしますか?」だね。


小秋先生

いいえ。「僕が持ちます」「僕が持っていきます」とキッパリ言うときに「僕がお持ちします」というのはいいんだけど、「僕が持っていきましょうか?」とたずねるときに「僕がお持ちしますか?」なんて言ったら、変な敬語だって指摘されるわよ。


犬山くん

へえー、そうなのかあ。じゃあ、どう言えばいいの?


小秋先生

「僕がお持ちしましょうか?」よ。では、犬山くん、もう一度「お持ちになる」と「お持ちする」を復習しましょうか。「課長はこの書類を持っていきますか?」と、課長に聞きたいときは?


犬山くん

「課長はこの書類をお持ちになりますか?」


小秋先生

正解!では、「僕がこの書類を持っていきます」と課長に言うときは?


犬山くん

「僕がこの書類をお持ちします」


小秋先生

よろしい!最後に「僕がこの書類を持っていきましょうか?」と課長にたずねたいときは?


犬山くん

「僕がこの書類をお持ちしましょうか?」


小秋先生

よくできました。これで「お持ちになる」と「お持ちする」の区別はカンペキね。

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