「聞く」を敬語に変換しよう
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小秋小秋

上司の指示からうわさ話まで、職場で「聞く」ことはもりだくさん。こちらでは、「聞く」の敬語変換のバリエーションを、基本からレッスンしていきましょう。

目上の人が「聞く」

目上の人の「聞く」という動作については、尊敬語を使って「お聞きになる」「聞かれる」と表現するのが適切とされています。

例1「課長はお聞きになりましたか?」
例2「課長は聞かれましたか?」

なお、「お聞きになる」と「聞かれる」では、「お聞きになる」の方がていねいな表現です。「言う」の尊敬語「おっしゃる」「言われる」と同様、「聞く」についても、似たような表現なんだけれども、どちらがよりていねいかという違いがあるということです。

高:お聞きになる
低:聞かれる

目上の人が「聞いてくれる」

次に、応用編。目上の人が私のために何かを「聞いてくれる」ことは、「お聞きくださる」「聞いてくださる」と表現します。

例1「課長、あの件について部長にお聞きくださいましたか?」
例2「課長、あの件について部長に聞いてくださいましたか?」

なお、目上の人に何か自分の言うことを聞いてもらいたくて「聞いてください」とお願いする場合は、「お聞きになってください」「お聞きください」と言います。

例1「どうか、お怒りにならないでお聞きになってください」
例2「どうか、お怒りにならないでお聞きください」

目上の人に「聞いてください」と言う

ここでひとつ重要なお話です。目上の人に何か自分の言うことを聞いてもらいたくて「聞いてください」とお願いする場合に、間違っても「お聞きしてください」と言ってはいけません!

実は、「お聞きしてください」のもとの形「お聞きする」は、目上の人の言うことを聞かせてもらうことを意味する謙譲語なんです。すなわち、「私の申し上げることをお聞きしてください」と言うと、「私の言うことをありがたく聞かせてもらいなさい」という意味になってしまうんですね(汗)

上司にこんなことを言って無事でいられる会社なんてそうそうないと思いませんか?「お聞きしてください」と「お聞きください」では全然意味が違うんだということについて、よくよくご理解の上、注意して用いるようにしてください。

また、目上の人に「聞いてください」とお願いするときに、「うかがってください」「拝聴してください」と言ってもいけません。「うかがう」も「拝聴する」も「聞く」の謙譲語ですから、さっきの「お聞きしてください」と言うのと同じように、無礼なヤツということになってしまいます。

目上の人に「聞く」

さらに、「うかがう」「お聞きする」「拝聴する」は、目上の人から話を聞かせてもらったり、目上の人に関する情報について何か教えてもらったりするような場面で使います。

例1「お名前をうかがってもよろしいでしょうか?」
例2「お噂はかねがねお聞きしております。」
例3「お話を拝聴し、大変感動いたしました。」

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ちなみに、「おうかがいする」という言い回しもよく聞かれますが、これは「うかがう」をさらにていねいにした表現だとご理解ください。

例「お話をおうかがいし、事情はよくわかりました。」

また、「うかがう」は「たずねる」の謙譲語として使われることもありますので、この使い方もおさえておくと便利でしょう。

例「ちょっとうかがいたいのですが、このあたりに銀行はありますか?」

基本の動詞等の敬語変換

基本形 尊敬語 謙譲語 丁寧語
言う おっしゃる、言われる 申し上げる 言います
聞く お聞きになる、聞かれる 伺う、お聞きする、拝聴する 聞きます
見る ご覧になる、見られる 拝見する、お見せいただく 見ます
行く いらっしゃる、行かれる 参る、伺う 行きます
来る いらっしゃる、お越しになる、お見えになる、来られる 参る、伺う 来ます
いる いらっしゃる おる います
食べる 召しあがる、食べられる いただく 食べます
与える(あげる) お与えになる、くださる 差し上げる あげます
受け取る(もらう) お受け取りになる いただく、賜る、頂戴する もらいます
利用する ご利用になる、利用なさる、ご利用だ、利用される 利用いたす 利用します
接頭語 御(お/おん/ご)、貴、尊 弊、小、拙

その他の動詞の敬語変換

基本形 尊敬語 謙譲語 丁寧語
着ける お着けになる、着けられる お着けいたす、お着けする 着けます
着用する ご着用になる、着用なさる、着用される 着用いたす 着用します

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