

お客様や上司が自分のところに「来る」ことを、敬語ではどう表現するのでしょう?こちらでは、「来る」の敬語への変換の仕方をいっしょに勉強していきましょう。
目上の人が「来る」
目上の人が「来る」ことを敬って表現する尊敬語は、「お見えになる」「おこしになる」「いらっしゃる」「来られる」と、4つもあります。先ほど「行く」の解説ページにも登場する「いらっしゃる」がここでも登場するのがポイントです。
例1「お客様がお見えになりました」
例2「お客様がおこしになりました」
例3「お客様がいらっしゃいました」
例4「お客様が来られました」
これら4つの表現の中でもっともあらたまった印象を与えるのは「お見えになる」。一方、もっとも敬意をあらわす度合いが低い表現は「来られる」です。
高:お見えになる
中:おこしになる、いらっしゃる
低:来られる
目上の人が「来てくれる」
目上の人が自分のところに「来てくれる」ことを、「おこしくださる」「いらしてくださる」「来てくださる」と言います。
例1「本日はおこしくださいましてありがとうございます」
例2「こんなに早くいらしてくださるとは思いませんでした」
例3「課長が来てくださったら百人力ですよ」
目上の人に「来てください」と言う
また、目上の人に「来てください」とお願いする場合は、「おこしになってください」「おこしください」「いらしてください」と言います。
例1「お好きな時間に、おこしになってください」
例2「ありがとうございました。また、おこしくださいませ」
例3「ぜひ、一度拙宅に遊びにいらしてください」
「来る」に関する一番大きな注意点は、目上の人が自分のところへ来ることを言うときに、「参る」を使って「お客様が参られました」などと言ってはいけないということです。
誰かが「来る」ことを「参る」で表現できる場合もたしかにありますが、それはあくまで、自分の身内の人間が、来ることを表現するときだと理解しておきましょう。
「お客様、只今担当の者が参りますので、少々お待ちください」
基本の動詞等の敬語変換
基本形 | 尊敬語 | 謙譲語 | 丁寧語 |
---|---|---|---|
言う | おっしゃる、言われる | 申し上げる | 言います |
聞く | お聞きになる、聞かれる | 伺う、お聞きする、拝聴する | 聞きます |
見る | ご覧になる、見られる | 拝見する、お見せいただく | 見ます |
行く | いらっしゃる、行かれる | 参る、伺う | 行きます |
来る | いらっしゃる、お越しになる、お見えになる、来られる | 参る、伺う | 来ます |
いる | いらっしゃる | おる | います |
食べる | 召しあがる、食べられる | いただく | 食べます |
与える(あげる) | お与えになる、くださる | 差し上げる | あげます |
受け取る(もらう) | お受け取りになる | いただく、賜る、頂戴する | もらいます |
利用する | ご利用になる、利用なさる、ご利用だ、利用される | 利用いたす | 利用します |
接頭語 | 御(お/おん/ご)、貴、尊 | 弊、小、拙 | – |
その他の動詞の敬語変換
基本形 | 尊敬語 | 謙譲語 | 丁寧語 |
---|---|---|---|
着ける | お着けになる、着けられる | お着けいたす、お着けする | 着けます |
着用する | ご着用になる、着用なさる、着用される | 着用いたす | 着用します |
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