「見る」は敬語に変換できても、「見てくれる」になるとちょっと不安。そんな方はここで一度、「見る」の敬語変換の基本を確認しておきましょう。
目上の人が「見る」
「見る」の尊敬語は「ご覧になる」「見られる」です。「ご覧になる」や「見られる」は、目上の人が何かを「見る」ことを表現する場面で使います。
例1「課長は、あの映画をご覧になりましたか?」
例2「課長は、ゆうべの特番を見られましたか?」
なお、「ご覧になる」と「見られる」では、「ご覧になる」の方がよりていねいな表現です。
高:ご覧になる
低:見られる
目上の人が「見てくれる」
では応用編。目上の人が「見てくれる」ことは、「ご覧くださる」「ご覧いただく」と表現します。
例1「先生、私の作品をご覧くださってありがとうございます」
例2「先生、私の作品をご覧いただきありがとうございます」
目上の人に「見てください」と言う
目上の人に「見てください」とお願いをする場合は、「ご覧ください」「ご覧になってください」となります。
例1「館内をご自由にご覧ください」
例2「館内をご自由にご覧になってください」
ここで注意事項。目上の人に何かを「見てください」とお願いをする場合に、間違っても「どうぞご自由に拝見なさってください」などと言わないようにしてください。
「拝見する」というのは、目上の人のものを自分が「つつしんで見せてもらう」場面で用いるべき「謙譲語」です。
「拝見なさってください」などというと、私のものを「つつしんで見てください」といった意味になってしまいます。これでは「何様?!」と怒られてしまうのは容易に想像できますよね?
「拝見する」を使うのは、自分が目上の人、例えば上司のものを見せてもらうときなどです。
例「部長が作品展にお出しになった写真を拝見しました」
「拝見する」では少しかたいな、と思う場合は、「見せていただく」でも結構です。相手との関係で、「拝見する」と「見せていただく」を使い分けることができるようになればしめたものです。
例「お庭を見せていただきましたが、お見事ですね」
基本の動詞等の敬語変換
基本形 | 尊敬語 | 謙譲語 | 丁寧語 |
---|---|---|---|
言う | おっしゃる、言われる | 申し上げる | 言います |
聞く | お聞きになる、聞かれる | 伺う、お聞きする、拝聴する | 聞きます |
見る | ご覧になる、見られる | 拝見する、お見せいただく | 見ます |
行く | いらっしゃる、行かれる | 参る、伺う | 行きます |
来る | いらっしゃる、お越しになる、お見えになる、来られる | 参る、伺う | 来ます |
いる | いらっしゃる | おる | います |
食べる | 召しあがる、食べられる | いただく | 食べます |
与える(あげる) | お与えになる、くださる | 差し上げる | あげます |
受け取る(もらう) | お受け取りになる | いただく、賜る、頂戴する | もらいます |
利用する | ご利用になる、利用なさる、ご利用だ、利用される | 利用いたす | 利用します |
接頭語 | 御(お/おん/ご)、貴、尊 | 弊、小、拙 | – |
その他の動詞の敬語変換
基本形 | 尊敬語 | 謙譲語 | 丁寧語 |
---|---|---|---|
着ける | お着けになる、着けられる | お着けいたす、お着けする | 着けます |
着用する | ご着用になる、着用なさる、着用される | 着用いたす | 着用します |
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